(映画紹介)21世紀の資本
今回は、先週末からコロナ規制緩和の影響で、再公開スタートした映画について、
気になったので、載せておきます。
映画のタイトルは、下記です。
”21世紀の資本”
この映画はもともと、
トマ・ピケティというフランスの経済学者が2013年に執筆し発売したもので、
その後、翌年2014年に、日本でも発売されています。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4622078767/ref=ox_sc_act_image_1?smid=AN1VRQENFRJN5&psc=1
この本ですが、はっきり言って、簡単に読めるものではないです。
非常に太い本で、ページ数も600ページ以上あり、
また価格も6000円程度するので、気軽に買って読めるものではないです。
本の概要をサッと説明すると、
一言でいうと、”r>g”と不定式を主張しています。
”r”とは、
Return on stock assent(資本からの収益)を指します。
資本(株式、不動産)を持っている資本家の収入を指しています。
具体例でいうと、自分の資本を投資してリターンを得る投資家や、自分のお金を出資して株式を上場させている経営者など、いわゆる”雇用主や資本家”側の方を指します。
一方で、"g"とは、economic Growth(経済成長)を指し、
従業員や労働者の給料、働いて得られる所得を指してます。
所謂、”一般市民”のことを指しています。
つまり、r(資本家/富裕層の収入の上昇率)>g(一般市民の給料の上昇率)となっており、
金持ちは更なる金持ちになり、一般庶民は更に貧しくなるばかりであり、
どうにか対策すべきですよ!ということを、いろいろなデータを示しながら、説明しています。
また、これを聞いても、”世の中ってそんなもんじゃない?”って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
今までの経済学者の見解では、全く逆だったんです。
それまでクズネッツという米国の経済学者(1971年にノーベル経済学賞受賞)した方の説で、
労働者の賃金や所得は、資本家のリターンより大きくなり、この2者間の格差は時間と共に、
縮小していくだろう、という説が一般的でした。
ところが、トマピケティ氏によれば、この説は、あくまで20世紀の一部期間にだけしか当てはまらなない、と主張でした。
また、このこのクヅネッツの影響もあって、1970頃から、富裕層への減税措置なども、政策としてあったようです。
そして、ピケティ氏は、
このことを世界の各政府が認識し、一般市民への減税、富裕層への増税を訴えかけています。
この話ですが、フランス人であるピケティ氏が指摘しているのですが、
全世界(特に先進国)でこの事例が当てはまっています。
例えば、
米国企業のTOPが数億ドルの報酬をもらっており、右肩上がりなのに対して、
従業員の給料は大きくは上がりません。
(米国のMICRO SOFT社のビルゲイツ氏が経営業から引退(2008年?)からも、株式の上昇によって、資産を大きく伸ばしています。)
日本でも、
2013年から始まったアベノミクス経済で日経平均株価は大きく上昇しましたが、
従業員の給料はそれほど上がらず、一般市民の生活はなかなかよくなったようにはなりません。
また、税制の違いも、経営者などに有利なように法律が作られています。
高収入の経営者は、自分の会社の給料(役員報酬)を上げたりしません。
代わりに自分で多く持っている株主配当をUPしたりして、収入をUPさせます。
理由は簡単で、収入の種類によって税金の%が全然違います。
できるだけ税金のかからない方法で、うまく手元の資金を増やしているんです。
このさくひんは、
このような格差社会を生み出している要因、その背景や具体事例なんかが描かれています。
映画では、どのあたりをピックアップしているか分かりませんが、
約2時間程度で、雰囲気や概要を分かりやく見れるのは、非常にお得かと思います。
もし興味があれば、是非、映画も小説も見てみてください。
では!