TAKA BLOG -日々是精進-

身の回りで起きたこと、感じたことを綴っていきます。

<企業分析>アカツキ 3932

こんにちは!

本日は友人から、保有している株式について、コメントを求められたので、

私なりの分析をして公開したいとお思います。

 

<銘柄の基本情報>

株式会社アカツキ

事業内容:モバイルゲーム事業、ライフエクスペリエンス事業

証券コード:3932(東証第一部)

 

 

<ゲーム業界について>

まず、ゲーム業界ですが、市場規模の全体感を見てみます。

世界市場:13兆1,700億円(世界ゲームコンテンツ市場規模、2018年、Gzブレインファミ通ゲーム白書2019』)

国内市場:1兆6,704兆円(国内ゲーム市場規模)

     (家庭用ゲーム市場:4,343億円、スマホゲーム市場:1兆1,660億円)

 

日本のGDPが約500兆円程度であることから、約0.3%規模の市場ですが、

オンラインゲーム市場は、下記のように成長市場であることが推測できます。

 

【国内 家庭用 / オンラインプラットフォーム ゲーム市場規模推移】

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(出典:ファミ通ゲーム白書 2019)

 

また、このスマホゲームの中でも、クラウドゲームについては、大きく成長が予想されています。

【国内 クラウドゲーム市場規模推移】

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(出典:ファミ通ゲーム白書 2019)

 

<個別企業分析>

それでは、この”アカツキ”という会社の分析をしていきたく思います。

5月中旬に2019年度の決算発表を行っていましたので、その内容を詳しく述べていきます。

 

決算内容ですが、

コンセンサス32,098百万に対して、2019決算発表32,048百万円でした。

営業利益は、コンセンサス11,102百万に対して、決算発表11,053百円でした。

当期純利益は、コンセンサス7,308百円に対して、決算発表6,620百万円でした。

まとめると、売上、営業利益は市場予測に対して▲1%、純利益は▲10%という結果でした。

(コンセンサス:アナリストによる事前の業績予測数字。)

 

資産についてですが、

資産は42,367百万円、負債が12,144百万円、資本が30,223百万円。

また、資産の中での、現金が26,308百万円となっており、現金比率(現預金/総資産)は62%と非常に高いです。

(これはゲーム業界の会社はキャッシュを多めに持っている特徴があります。)

営業キャッシュフローですが7,271百万円と、営業キャッシュフローマージンは約23%と高めでした。

 

下記に、yahooファイナンス より引用したチャートを貼り付けておきます。

5月29日時点で4075円という価格です。

株価は、コロナ前の昨年末から下がり始めており、

直近の日経平均の値上げとともに価格を戻しつつある状態です。

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 (出典:yahoo Finace)

 

事業内容としては、

メインのモバイルゲーム事業は、

ドラゴンボールZ ドッカンバトル、ロマンシングサガ リ・ユニバース、UNI’S ON AIR

のゲーム事業がうまくいっているようでが、

一方、新規事業である、ライフエクスペリエンス事業(「うんこミュージアム」など)やスポーツ技業については、やや収益化に苦戦しているようです。

 

こちらですが、決算説明用資料に、

ゲーム事業と非ゲーム事業の推移がありましたので、掲載します。

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(出典:2020年3月期決算説明資料)

 これらを年度ごとに集計すると、下記のようになります。

  ゲーム事業 非ゲーム事業 合計
  収入 利益 利益率 収入 利益 利益率 収入 利益 利益率
2017 21,812 14,030 64% 113 -3,277 -2900% 21,925 10,753 49%
2018 26,827 17,683 66% 1,300 -3,981 -306% 28,127 13,702 49%
2019 29,337 15,524 53% 2,709 -4,580 -169% 32,046 10,944 34%

 (上記の決算説明資料データをもとに編集)


こちらを見ていただくとわかるように、

メインのゲーム事業は、

独自のゲームや、他IPを活かしたゲーム展開をできており、比較的、安定的に収益を得れていますが、

新規事業については、売上収入は増加傾向ですが、収益はなかなか得られず、

本業で稼ぎ出した収益を食いなぎながら、続けている状況です。

現時点では、まだ将来のための投資と捉えることもできると思いますが、

今後の出方次第では、注意が必要かもしれません。

 

今後の展望ですが、2020年度の計画についても、触れられております。

ゲーム事業については、

既存ゲームの収益最大化、及び新規ゲームの配信といったことが掲げられています。

Honeywoks Premium LiveやTribe Nineといった開発中のもので今後配信予定のものが記載されています。

 

非ゲーム事業については、新しい事業を立ち上げるのではなく、

現時点で運用中の事業の収益化をしっかりやっていくことが挙げられています。

 

またガイダンス(2020年の見込数字)については、開示無しですね。

不安定な業界であり、収益構造が変わらない限り、見込み予測難しいとのことです。

 

ゲームについても、様々なプレイヤーが乱立しているので、

今まのゲームが安定的にヒットし続けるのも不確実ですし、

新しいゲームがヒットするのか否かも予想しにくい業界なので

これは仕方のないことかもしれません。

また新規事業の方もまだ収益化の見込みが立っていないことからコメント難しいのだと思われます。

 

冒頭に述べたように、このようなオンラインゲームという事業領域自体が成長市場ではあるものの、この業界に置いて、供給プレイヤーの参入障壁も低く、結果的に競争が厳しい状況にあり、どの会社のゲームがヒットするかは別問題です。

 

ですので、現状のコロナがどうというよりも、今後のゲームがどのような売れ行きになるか次第、かと思われます。

 

幸運を祈ります。

では!